ある日、年長組にきのこのお手紙が届きました。みんな「なに?」「誰から?」とわいわいがやがや!そこで先生が手紙を読むと、なんと『森のこびと』たちからのお泊り保育についてのアドバイスが書かれていたのです。

そこで子どもたちは、お手紙にあった『ミッション』をどんどんクリアしていきました。写真は「おやつがあったら楽しいよ。」というお手紙の言葉で「お買い物にいきたい!」と、西友さんにおやつを買いに行った時のものです。

お泊まりするよ!と子どもたちと話し合ってから、3週間。いよいよお泊り保育の当日を迎え、みんな元気に登園です。1泊分の着替えが入っていますから、なかなかの大荷物です。でも、良く話を聞いて、この荷物は引き出しに、これはロッカーの上にと、普段の3倍くらいの集中力で荷物整理を完了させましたよ。

そして、届いたふとんも、玄関から2階の自分たちのクラス前までちゃんと運びました。(こんな重たいものを運んだのは、生まれて初めてだ~と叫んでいる人もいました。)

そして、夜ご飯のカレーに必要な、野菜切りも自分たちで。自分の事は自分でするという『お泊り保育』の目標を子どもたちは大張り切りでこなしていきます。それがすんだら、キャンプファイヤーで灯すランタン作りです。子どもたちは「は~!お泊り保育は大変だ~。」と言いながら、夢中で取り組んでいました。

年長組と先生たちだけで幼稚園を独り占めできる貴重な体験の日。子どもたちは、楽しいがいっぱい詰まった特別な時間を満喫していました。

自分たちでお手伝いした給食の『カレー』を食べて、次はキャンプファイヤーです。薪に火をつけるための『おまじない踊り』を披露し、無事に火が燃えあがりました。その火を見ながら、歌をうたい、ダンスをして、いよいよランタンキャンドルに灯りをともしました。ワクワクした気持ちから、ほのかな光を見つめ、静かな、お泊りの夜を迎える準備ができました。

シャワーをあびて、パジャマに着替え。お布団しいて、1日の終わりに絵本をよんで寝る準備ができました。楽しかったこと、がんばったことを神さまに感謝して祈り「おやすみなさい」。みんなぐっすり眠りましたよ。

プログラム通りの起床時間まで、子どもたちはぐっすりと眠り、朝日に起こされて「おはよう!」。少し寝ぼけまなこで布団をたたんだり、朝の支度もがんばりました!

親戚の家や友だちの家に泊まった経験はあっても、ひとりお家を離れて、幼稚園に泊まるという経験はまた、特別な意味がありますね。友だちと先生といっしょに、困ったことは自分たちで助け合い、解決したぞ!という気持ちが、ひとりひとりにうまれたかもしれません。帰る時「先生、今度はいつお泊りできるの?」「お泊り保育おわっちゃうの、やだ~。」そんな会話を耳にすると、「ああ、今年もお泊り保育できてよかったなあ。」と心から思います。

ひなぎく幼稚園のお泊り保育は、子どもたちと先生たちで創る手作りの『だいぼうけん』です。この経験が、子どもたちの生きていく力となっていくとうれしいです。