Cedep(東京大学大学院教育研究科付属発達保育実践センター)の本年5月の調査は、コロナ禍の自粛期間中就学前の子どもの7割強で屋外での活動が減少し、家庭ではできない、心と身体をいっぱい動かして友達と遊ぶ経験ができなかった、と報告しています。自粛期間中には保護者の過半数が「心に何らかの負担がある」とも答えており、Cedepでは子ども自身の、「友達と遊びたい」という切実な声も多く拾っています。(参考*キリスト教保育誌12月号 ~子どもは遊びの中で育つ~河邉貴子著より)
この調査結果は、くしくも、「園」がいかに就学前の子ども達と保護者にとって必要な場所であるかを伝えていると思います。私達は、園を毎日開け、子ども達が友達といっぱい遊ぶ時間と場所を保障する、その責任の重さを思わずにはいられません。
幼稚園が毎日門を開け続けることができるように、そして皆が一緒に祈り合い支え合うその生活の先に、今年もクリスマスの喜びが溢れることを信じています。 (園長 記)

<ひなぎく祭 年長組>
年長組の子ども達は創立記念のお祝いに何ができるかを相談し、お店を開きました。ちゃんこ鍋屋さんは、具を子ども力士さんたちが好きな野菜を分担して紙などを使って作りました。また、大相撲の土俵入りの映像や写真を見て「化粧まわし」も作りました。大きな和紙を綺麗に染めたり、折り紙の飾りもつけたい!という子どもたちの提案で、個性溢れたものになりました。(エプロン代わりとして気合を入れて腰に巻きました♪)

いろいろどんぐり屋さんは、手作りのどんぐりペンダントや迷路を作りました。オープンの前にそれぞれの役割の話し合いをしました。時間がかかるかな?なんて思っていましたが、心配ご無用!「入り口やる人?」「メダル渡す係やりたい!」自分の希望を伝えながらも相手の言葉に耳を傾けようという姿勢がありました。

フードコートには、ジュース屋さん、和菓子屋さん、ひまわりパン屋さん、ひなぎくハット(ピザ屋さん)、ふしぎなクッキー屋さんと様々なお店が並びます。レンジやオーブン・かまども手作りです。ひなぎく祭当日は、まだまだオープンまで時間はあるのに、早速エプロンや三角巾を身につけてやる気満々!子どもたちの中には数日前から、三角巾とエプロンを持ってきている人も多く、お家でも相談していることが分かり、嬉しく思いました。

ひなぎく祭の準備期間中に、卒園写真の撮影がありました。「テントみたいなのがある!」「傘みたいなライトだ!」と、撮影機材に興味津々。そしてなにより、カメラマンが、撮影するときに「いいねぇ~かっこいいねぇ~それそれ!」と言っているのを聞いて、とても楽しそうに笑っていました。次の日から写真館開店に向けて、子ども達からアイディアがどんどん出てきて、背景も手作りにすることに。そして迎えたひなぎく祭当日。お客さんを呼んで撮影するのは初めてです。カメラマンの人は、初めは緊張していましたが、「おぉ~いいねぇ~それだよそれ!」と、笑顔の写真が撮れるように必死です!カメラマンの後ろでは、ぬいぐるみを持って「こっちみて!こっちこっち!」と気を引くアシスタントの姿が。その姿は、まるで本物の写真館のスタッフのようでした。撮影が終わると、現像係が撮った写真を現像して渡してくれます。お客さんは、写真をうけ取ると「すごい…これ、僕!?」と、とても嬉しそうに写真を眺めていました。最後のお客さんが帰ると、「とっても疲れた…でも、楽しかった!」と、達成感を味わっていました。

クラスを交えて好きな事に取り組みながら仲間と話し合い、考え、作ってきた日々は新鮮なことも多かったようです。言葉が増えている今、このようなコミュニケーションの機会は子どもたちにとって良い時間でした。

<ひなぎく祭 年中組>
年中組は、自分たちで作った鞄を下げ、いざ二階へ。ホールのフードコートでは、子どもたちはそれぞれ好きな食べ物屋さんにドキドキ・わくわくした様子で並び、年長さんのお兄さん、お姉さんたちに自分たちで注文をしていました。「おいしいね」「こんなに僕のピザ大きいんだよ」と嬉しそうに顔を見合わせ、友だちや教師と楽しむ姿が見られました。

後日、年長組が作った和菓子セットを借りて、お部屋でも数人の子どもたちと和菓子屋さんを開きました。赤いブロックでおせんべいを焼く場所を用意したり、自分たちでお客さんを呼びに行ったりし、「私たちも年長組さんのようにやってみたい」という子どもたちの気持ちを感じます。

 

<ひなぎく祭 年少組>
お客さんになって、お兄さんお姉さんたちに助けてもらいながらお店屋さんの雰囲気を楽しみました。年長組のちゃんこ鍋の道具を借り、お部屋に置いておくと、登園してすぐに鍋を見て「あ!年長組のお鍋がある。やりたい」と集まってきました。友達に「どうぞ」をして順番や道具を譲り合う姿もたくさんありました。お客さんとお店屋さんのやり取りも教師が間に入ると「いらっしゃい。どれがいいですか。大きいのと小さいのどっちがいい?」と気持ちは一人前のお店屋さんです。

 

<泥だんご作り>
お日様がぽかぽか差しているヒマラヤ杉の下で、泥だんごを作ることに専念している年中組さんがいます。ピカピカのお団子を何日もかけて作る人もいれば、丸くなることがうれしく何個も作っている人、友だちが作っているのを見て今まで泥遊びは苦手だったけれどやってみようと挑戦する人の姿があります。中には「壊れちゃった」と悲しそうに伝えに来ることも。しかし「もう一回作ってみよう」と諦めずに作り始めたり、初めはなかなか丸くできずにいたけれど次の日また次の日とやっていくうちに丸いお団子が作れたり、子どもたちは夢中になって作っています。

 

<秋の恵みを感じて>
園庭はサクラやケヤキの葉っぱでいっぱいです。年中組さんは、赤や黄色の落ち葉を集めてお山を作りたい!と、子どもたちが葉っぱを集めに園庭に散っていきました。朝のうち教師たちが掃き集めた枯葉の山に、自分たちで集めてきたものを足していきます。おそるおそる足を踏み入れ、フワフワ、カサカサという感触を楽しみます。「いい匂い〜」「ちょっとチクチクする?」「葉っぱの雪だ〜」と、寝っ転がったり葉っぱの雪を降らせたりと大騒ぎ。片付けの時は、散らかってしまった葉っぱを再び集めるのですが、なぜか「そうだ!歌を歌って元気を出して、お掃除しよう!」と、賛美歌や童謡をかたっぱしから歌います。たしかに、歌いながら働くと元気とやる気が出てきますね。子どもたちが見つけた《歌の力》は、お部屋での片付けにも、今、活かされています。

年少組は、園庭の落ち葉を使ってバーベキューをしています。砂ふるいを逆さにし、色とりどりの葉を魚に見立て、網焼きをしています。「先生、焼き魚が食べたいな~」というとそれを聞いた男の子が「火を起こそう!」といい、赤い葉のみ集めています。周りにいた子ども達も一緒に集めます。赤い葉は、火種の代わりにするようです。キャンプに行ったことがある男の子が「火はこうやってするんだよ(2本の木の棒をこするようにして…)」と火おこしを伝授します。みんなで火種に空気を送り、火がついた所で、木の棒に葉を刺し、魚を焼きます。「何の魚がいい?」「あ!魚が焦げてるよ!」など、子ども達同士で、バーベキュー談義が盛んに行われていました。子ども達自身が経験したことが遊びに繋がっています。

 

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